2010年05月18日

日経新聞

日経新聞の夕刊に永田和宏のエッセイが掲載されている。僕はこれが楽しみである。永田和宏は歌人であり科学者である人なのであるが、僕がよく知っているのは歌人としての永田和宏である。
初めて永田と会ったのは、忘れもしない大学一年生の春、京都の荒神橋近くの京大会館であった。

母親の逝きてのちはや三月待つ新緑の中孤独深まる

月並みかもしれないが、母親を亡くすというのは辛いことである。永田と出会う数日前、母親が大学の入学式のために上洛した。
僕たちは夕御飯を食べるために下宿近くの寿司屋に入った。寿司屋といっても関西でよく見かけるうどん屋と一緒になったような店である。僕は涙が止まらなかった。
母は奮発して、少し高い竹か何かを頼んでくれた気がする。

物心ついてから中学生と高校生の間のたった6年間しか一緒にすまなかったことを僕は心から後悔した。

僕は母に涙を見せないために一生懸命にお寿司を頬張った。

そんな僕になにも言わない母であった。
posted by akao at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記